教員ブログ

2023年03月

2023.03.24

教育と障害

松原先生 執筆者:数学・情報教員 松原 輝

リタ学園 奈良学習館で、数学・情報科目を担当する松原です。
私は教員であるとともに、ASD(当時はアスペルガー症候群)の診断を受けている、発達障害の当事者でもあります。

近年、障害者の社会進出が話題になることがありますが、「教員」という職種は、障害者が働くにあたって最もハードルが高い分野の一つと言われています。

その理由は、発達障害者の中には複数のことを同時に行うことが苦手な人も多く、急な予定変更や、複数の生徒たちを並行して対応することが困難な傾向にあるためです。
私自身もこの傾向が表れることがあり、実体験として大変なことが多いのも事実です。

しかし、私は周りの先生方や生徒たちに恵まれ、8年間ここで教員を務めることができました。
これはひとえに、この学園が素晴らしい環境であったことの表れですが、もう一つ私自身も大切にしてきたこと…それは『対話』です。

どちらか一方ではなく、お互いの話を聞き合い、お互いのことを話し合う。
言葉では表すのは簡単ですし、きれいごとに聞こえるかもしれません。
また『対話』で全てのことが解決できるわけでもありません。

それでも私は『対話』によってお互いを理解し合う、理解し合えると信じて取り組んでみる、そしてそれを繰り返す。
それこそが『相互理解』に繋がると実感しています。

障害の有無に関係なく、一人の人間として、これからも『対話』を重んじ、リタ学園とともに更に成長していきたいと思います。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。


Q.学習館の生徒では、小学校や中学校に不登校だった生徒もいますが、その子たちに対してどのようにサポートしていきますか。

不登校の生徒の中には「本当は学校に行きたい」と思っている生徒もいます。
「思っているけど行けない」その要因も一人一人異なります。
だからこそ『対話』を通してじっくりとヒアリングし、その要因と対策に共に考え、一歩ずつ前に進める対応を心がけています。

2023.03.17

「第8回 アイエス学園 奈良学習館 卒業式」を終えて・・・

三好先生 執筆者:商業科目教員 三好 敏生

今や学園のマスコット「ゆるキャラ」になりつつある三好です。
学園では、技能連携科目である商業科目(情報処理・ビジネス情報・簿記・ビジネス基礎など)を教えています。

三好先生

令和5年3月2日にアイエス学園 奈良学習館の8回目の卒業式が挙行されました。
「アイエス学園」という名称で卒業するのは今年度までで、来年度からは「リタ学園」という名称で卒業することになります。
何かちょっと寂しいような気もしますが、奈良以外にも神戸・京都・東京と現在教室があり、今後全国展開に拍車がかかるので、カタカナの「リタ学園」で統一されるのは喜ばしい事です。
全国に広がり、在校生も全国に仲間の輪が広がると思うと何だかワクワクします。

私は、卒業式8回中7回3年生の担任として卒業生を送り出してきましたが、どの卒業式も鮮明に覚えています。
今年のサプライズは、第2回の卒業式の際にサプライズで来て頂いた、「浪速の浜省」こと泉拓人(いずみたくと)さんにもう一度サプライズに来て頂き、1曲披露して頂きました。
北村匠海さんが出演されているJTのコマーシャルでもお馴染みの曲「想うた」を、卒業生と卒業生の保護者に向けて、アイエス学園 奈良学習館バージョンとして歌って頂き、涙なみだのサプライズとなりました。

拓人さんありがとうございました。最高によかったです。
拓人さんは、南海線難波駅近く(地上)で、夜は『リンダ』という缶詰バーのマスターの顔をもち、昼間は特性をもった児童に発語を促す音楽療法士として働いておられます。
『リンダ』はとても落ち着けるバーで、拓人さんにリクエストすれば生演奏で歌ってくれるので、一度行ってみてください。

卒業生もその保護者も、来賓の方々も非常に感動されていました。
今年の卒業生はコロナ元年で中学校の卒業式もろくにできない状態で入学してきた生徒達でした。
入学後も登校できず、online授業ではじまりました。
あれもダメ、これもダメといろんなイベントが縮小されたり、できなかったりで、我慢我慢の学生生活でしたが、3年生の初夏ぐらいからインターンシップもようやくできるようになり、夏休みの終わりには2泊3日で仙台・福島・北海道へと修学研修旅行も体験できるようになりました。
そして、昨年度の卒業式と違って国歌・校歌と歌の歌える卒業式も挙行できました。

自分の保護者に一言伝えて退場するのが卒業式の恒例行事です。
その際、式場にいらっしゃるほとんどの人が泣いておられたように思いますが、担任の私が一番泣いていたかもしれません。
毎年思いますが、よくここまで成長し、苦労しながらも自分自身で自分を変えてきたことに頭が上がりませんし、保護者の方々のご協力にも感謝するばかりです。

アイエス学園 奈良学習館を卒業することはただの通過点にしか過ぎませんが、これから始まる新しい物語と成長をこの学園から見守りたいとも思います。
卒業生はいろんなことでよくこの学園に顔を出してくれますが、その際には逞しさと自信をもっているなぁと感じる顔になっています。
どこに出しても恥ずかしくない生徒に成長してくれてありがとう。

自立するまでに成長してくれている「感謝」とともに、一緒に成長させてくれてありがとうという気持ちも毎年感じています。

卒業生に毎年贈っている言葉 「協力は強力なり!」
独りじゃないよ!仲間がいるよ!!

2023.03.10

「好きなこと」×「働く」

葉山先生 執筆者:理科・保健体育教員 葉山 美衣子

リタ学園の葉山です。奈良学習館で理科と保健体育を担当しています。
私は鳥取県米子市出身で、6歳の時にバドミントンを初めて、今年で19年目になります。
出身大学は日本体育大学。RITA学園、人見教頭先生の後輩です。
現在は奈良県の実業団でプレーしていますが、中高大、様々な節目で毎回引退を考えました。
そんな私が今でも奈良県でバドミントンを続けている理由は、「好きだから」です。
自分が好きで続けてきたバドミントンですが、そんな中でもたくさんのご縁があり、結果的に、こうしてリタ学園で生徒と関わることができています。
充実した毎日を送ることができていますし、学園を通して関わりのある方々からの後押しもあり、今季、晴れて実業団の2部リーグ昇格が叶いました。

葉山先生

生徒のみんなにも、高校卒業後の進路を考える際、「働く」ということばかりを考えずに、自分の好きなことを追いかけて欲しいと思っています。
私の姿を見て、生徒たちも未来に希望を抱けるような教員を目指して頑張っていきたいと思います。


Q.学習館の生徒では、小学校や中学校に不登校だった生徒もいますが、その子たちに対してどのようにサポートしていきますか。

特性、不登校など様々な背景を持った生徒たちですが、色眼鏡をかけず、生徒ひとりひとりと向き合って知っていくことを大切にしています。
また、他の先生方と対話をしながら、学園全体でサポートできる体制がこの学園の魅力の1つだと思います。

2023.03.03

平凡の非凡

五味館長 執筆者:リタ学園 神戸学習館 館長 五味 仁志

リタ学園 神戸学習館に勤務しています 五味 仁志 です。

五味館長

神戸市生まれの64歳です。そろそろ日本の総人口の29.1%を占める高齢者の仲間入りです。
50年前は男女とも平均寿命が今よりも20歳くらい若かったので、当時だったらそろそろ寿命です・・。

高校からテニスを始めたことがきっかけで、テニスは今も趣味で続けています。
50歳から始めたゴルフもへたくそですが今では趣味ですし、旅行や映画、舞台を観ることも好きです。
何かこの年になって感動体験を求めています・・。
私が、これまでの人生を振り返って強く感じていることは、“平凡であることの非凡さ”です。
元徳島県池田高校野球部 蔦監督の言葉ですが、日常生活で普通に生活できることや当たり前に感じることは、実は誰かの支えの上に成り立っているということをこの年になってつくづく感じています・・。
お世話になった方々への感謝の気持ちをこれからどのように表現していくかを考えています。
といっても健康でなければ何もできませんし、自分自身が一番、体力や気力の衰えは実感してますから、無理せず精一杯頑張ろうと思っています・・。


Q.学習館の生徒では、小学校、中学校で不登校だった生徒もいますが、その子たちに対してどのようにサポートしていきますか。

我々が、不登校をその子たちにとっての平凡な日常と捉えるのか、非凡な日常と捉えるのかで違ってくると思います。
置かれている環境や事情などをよく聞いて、本人の日常をしっかりと理解していくことから始めます。